悔ふ(読み)クウ

デジタル大辞泉 「悔ふ」の意味・読み・例文・類語

く・う〔くふ〕【悔ふ】

[動ハ上二]《「くゆ」の音変化》「悔いる」に同じ。
「此れを―・ふる心なくして」〈今昔・一四・二七〉
[補説]近世には「先非を悔うた所に」〈虎明狂・膏薬煉〉のようにハ行四段活用(連用形ウ音便)とみられる例もある。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「悔ふ」の意味・読み・例文・類語

く・うくふ【悔】

  1. 〘 他動詞 ハ行上二段活用 〙 ( ヤ行上二段動詞「くゆ(悔)」の変化した語 ) 後悔する。
    1. [初出の実例]「其の言(こと)を聞き畢て礼拝して過(とが)を悔(く)ふ」(出典今昔物語集(1120頃か)六)
    2. 「又つくづくと先非をくふるに」(出典:随筆・戴恩記(1644頃)上)

悔ふの補助注記

( 1 )狂言には「虎明本狂言・膏薬煉」などに、あるいは四段活用かと思われる例がある。
( 2 )「浄・八幡太郎誕生記‐四」の「きん平おつる泪をおしとどめ、ふかく也方々くへてもかへらぬ事共」などは、連用形語尾だけがイ段音からエ段音に変化したものか、あるいは全体が下二段化したものか明らかではない。

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