情動失禁(読み)じょうどうしっきん(その他表記)affective incontinence

改訂新版 世界大百科事典 「情動失禁」の意味・わかりやすい解説

情動失禁 (じょうどうしっきん)
affective incontinence

情動コントロールができないため,わずかな刺激で急に泣いたり,笑ったり,怒ったりする状態をいう。しばしば脳血管障害者に出現する。脳卒中後の患者昔話などさせると,この状態がよくみられる。脳出血脳梗塞(こうそく)などの脳血管障害に特徴的な症状である。脳の外傷老年による脳の萎縮性変化では,情動不安定といって,情動失禁より程度の軽い感情の変化しやすい状態が現れることが多い。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

関連語 加藤

世界大百科事典(旧版)内の情動失禁の言及

【脳動脈硬化性精神障害】より

…初期の症状は,不眠,頭痛,もの忘れ,めまいなどで,やがて精神作業能力低下から痴呆に至る。情動失禁(感情変化のめまぐるしさ)や斑性痴呆(まだら痴呆のことで,精神機能低下が不均等なこと)が特徴とされる。ときに抑鬱(よくうつ),妄想が加わり,痙攣(けいれん)も起こる。…

※「情動失禁」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む