普及版 字通 「愉(漢字)」の読み・字形・画数・意味
愉
常用漢字 12画
(旧字)
12画
[字訓] たのしむ・よろこぶ
[説文解字]
[字形] 形声
声符は兪(ゆ)。兪は、把手(とつて)のある手術刀で膿漿を盤(舟)に移す形で、治癒の(癒)の初文。病苦を除いて心安らぐことをという。〔説文〕十下に「なり」と薄(とうはく)の意とするが、その字には・偸を用いる。〔論語、郷党〕に「私覿(してき)(私的に会うとき)には如たり」とあって、くつろぐたのしさをいう。〔詩、唐風、山有枢〕「他人是れ(たの)しまん」には、なお偸(ぬす)みとる意をも含むようである。
[訓義]
1. たのしむ、よろこぶ、やすらぐ、やわらぐ。
2. 偸・と通じ、うすい、かりそめ、おろそか。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕 ヨロコブ・アヤマル・タノシビ・タノシブ・ヲツ・カウ・ヤハラカナリ 〔字鏡集〕 カホヤハラカナリ・タクマシ・ヨロコブ・アヤマル・タノシブ
[語系]
・兪jioは同声。兪は治癒のの初文。その心の安らぎをという。臾jio・腴jiは体のゆたかなさまで、また愉悦の意に近い。(悦)・(説)jiuat、豫(予)jia、懌jyakもみな喜悦の意がある。
[熟語]
愉怡▶・愉易▶・愉慰▶・愉佚▶・愉悦▶・愉衍▶・愉▶・愉快▶・愉娯▶・愉敖▶・愉惨▶・愉思▶・愉色▶・愉心▶・愉然▶・愉舞▶・愉飽▶・愉目▶・愉愉▶
[下接語]
夷愉・怡愉・婉愉・寛愉・歓愉・欣愉・愉・煦愉・舒愉・心愉・恬愉・憂愉・和愉
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報