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意識の直接所与についての試論(読み)いしきのちょくせつしょよについてのしろん(その他表記)Essai sur les données immédiates de la conscience

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

意識の直接所与についての試論
いしきのちょくせつしょよについてのしろん
Essai sur les données immédiates de la conscience

フランスの哲学者 H.ベルグソン処女作。博士論文としてパリ大学に提出,1889年出版された。経験科学と H.スペンサーに影響されていた時期に,科学でいう時間は生の時間とは異なり持続しないということを洞察して着想知性言語を用いることによって必然的に質を量化し時間を空間化してしまうが,ありのままの心的現象すなわち意識の直接所与は純粋持続する質的存在であって直観によってのみとらえられるとし,さらにそこに存する具体的自我の全的表現である自由行為に論及。この2つの主題をとり,この著は『時間と自由』として翻訳されている。自然科学批判として構想され,根本的な二元論的判別を行なったこの論文は,生の観念を中心とする成熟期のベルグソン哲学の壮大な宇宙論礎石となった。

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