日本大百科全書(ニッポニカ) 「慧南」の意味・わかりやすい解説
慧南
えなん
(1002―1069)
中国、北宋(ほくそう)代の禅僧。臨済(りんざい)宗黄龍(おうりゅう)派の派祖。諡号(しごう)は普覚禅師(ふかくぜんじ)。俗姓は章氏。信州(江西省)玉山の人。11歳で定水院智鑾(ちらん)の下で出家し、19歳で受戒ののちに、帰宗自宝(きすじほう)、棲賢澄諟(せいけんちょうし)、三角懐澄(さんかくえちょう)、雲峰文悦(うんぽうぶんえつ)(998―1062)を歴参し、また、石霜楚円(せきそうそえん)(986―1039)に師事して嗣法する。同安崇勝禅院(どうあんすうしょうぜんいん)、帰宗寺(きすじ)、黄檗山積翠庵(おうばくさんせきすいあん)、黄龍山崇恩寺に住して、大いに宗風を振るった。煕寧(きねい)2年3月17日示寂。『語録』1巻がある。
[石井修道 2017年1月19日]