憲法訴訟(読み)けんぽうそしょう(英語表記)constitutional litigations

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「憲法訴訟」の意味・わかりやすい解説

憲法訴訟
けんぽうそしょう
constitutional litigations

憲法解釈を主な争点とする訴訟総称。現在の日本には憲法訴訟法という手続法は存在しないので,実際には,民事訴訟刑事訴訟行政事件訴訟の形式を用いて,その中で論点の一つとして憲法問題が争われることになる。たとえば,無罪を主張する根拠としてその適用される刑法規定の違憲無効を主張し,また損害賠償請求の根拠として問題の事実行為 (加害行為) の違憲性を主張し,さらに処分の無効確認を求める根拠としてその処分の違憲性を主張する場合などである。日本でもアメリカの制度と先例に倣って,憲法 81条により,国家行為の合憲性を通常の裁判過程を利用して審査し,維持する仕組みが導入された。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

部分連合

与野党が協議して、政策ごとに野党が特定の法案成立などで協力すること。パーシャル連合。[補説]閣僚は出さないが与党としてふるまう閣外協力より、与党への協力度は低い。...

部分連合の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android