日本歴史地名大系 の解説
戊午東西蝦夷山川地理取調日誌(戊午日誌)
ぼごとうざいえぞさんせんちりとりしらべにつし
三冊 松浦武四郎著・高倉新一郎校訂・秋葉実解読 北海道出版企画センター 昭和六〇年刊
解説 安政四年の西蝦夷地内陸調査に続いて、翌五年に行われた新道見込みの場所および河川調査を目的とした、主として東蝦夷地内陸地方の地理取調紀行の詳細な日誌。この年は一月中旬に箱館を出立して有珠・洞爺から中山峠を経由して石狩に入り、石狩川をさかのぼり困難な石狩山地を越えて十勝・釧路・根室・網走地方から道北を周回ののち、日高地方の諸河川を探索して八月下旬箱館に帰着するという前人未踏の大探検であった。それゆえこの「戊午日誌」の原本は首巻を含めて六一巻の大部なもので、安政三年の「廻浦日記」三一巻、同四年の「丁巳日誌」二四巻を合せて、計一一六巻の日記によって蝦夷地全沿岸および内陸の主要河川についての地理調査が完成したのであった。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報