石狩山地(読み)イシカリサンチ

デジタル大辞泉 「石狩山地」の意味・読み・例文・類語

いしかり‐さんち【石狩山地】

北海道中央部にある山地。トムラウシ山ニペソツ山など2000メートルを超える山があり「北海道の屋根」とよばれる。大雪山国立公園大部分を占める。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「石狩山地」の意味・読み・例文・類語

いしかり‐さんち【石狩山地】

  1. 北海道中央部にある山地。石狩岳(一九六七メートル)を主峰に、三国山(一五四一メートル)、音更(おとふけ)山(一九三二メートル)などがあり、日本海、太平洋の両斜面をわける分水界。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本歴史地名大系 「石狩山地」の解説

石狩山地
いしかりさんち

北海道の中央部を占める山地で、大きく大雪・十勝岳火山群、石狩中央山地、然別しかりべつ火山群に分れる。西は上川・富良野両盆地を挟み夕張山地、北は北見山地、東は白糠しらぬか丘陵、南は狩勝かりかち峠付近で日高山脈と接する。その中心部は北海道の屋根とよばれる標高二〇〇〇メートル以上の高所をなし、大雪山国立公園に指定されている。石狩川十勝川常呂ところ川などの水源をなす山地として、近世以来多くの記録・紀行文に「イシカリ山」「いしかり」「石狩」などとみえる。「西蝦夷日誌」によると「シコツアイノ」は「幼年の時より山に入、石狩、夕張、支骨、サル、トカチ、クスリの山々より天塩、モンヘツ山々」を渡り歩き熊を捕ったという。また「トカチ川筋サツナイ」の極老ハウサナクルは「西はウウカリ、シツナイ、シヤマニ、ニイカツプなる河源ウエン、ヒホク、サルの水源、ヲロウエン、サル、ヌカヒラ、ユウバリ、北はソラチ、石狩の岳々」まで駆け回ったと伝える(蝦夷人物誌)。明治九年(一八七六)石狩川の水源を探査した松本十郎の「石狩十勝両河紀行」に「石狩岳山脈ヲ北ニ見ル」とある。

狭義の石狩山地は石狩中央山地をいう。同山地は日高造山運動による褶曲山地で、おもに日高層群とよばれる古生層からなる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「石狩山地」の意味・わかりやすい解説

石狩山地 (いしかりさんち)

北海道中央部に位置し,大雪・十勝火山群,石狩中央山地,然別(しかりべつ)火山群を含む山地。狭義では石狩中央山地を指す。造山運動によって形成された山地の一部に火山群がのり,北に接する北見山地,南に続く日高山脈とともに北海道の背骨を造っている。北斜面の石狩川,常呂(ところ)川,南斜面の十勝利別川,空知川の河谷がほぼほかの山地との境となり,西は上川盆地富良野盆地,南は十勝平野に臨む。石狩中央山地は,主要な山嶺線が東西に走り,石狩岳(1967m)を最高峰とし,その東に音更(おとふけ)山,ユニ石狩岳,三国山が,西に沼ノ原山などが連なり,石狩国と十勝国との境界をなす。古生層の日高層群を主体とするが,音更山,ユニ石狩岳では基盤の花コウ岩の露出がみられ,沼ノ原山などでは安山岩や第三紀層が山体の構成に見られる。大部分が大雪山国立公園の区域で,特別保護区域の部分が広く,そのほとんどが針葉樹林または混交林となっているが,標高1500m付近で森林限界を越える。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

百科事典マイペディア 「石狩山地」の意味・わかりやすい解説

石狩山地【いしかりさんち】

北海道中央部,北海道の屋根といわれる山地。大雪山石狩岳十勝岳,音更(おとふけ)山(1932m)がそびえ,千島火山帯が重なり,古生層,花コウ岩,安山岩,第三紀層などからなる。石狩川,十勝川,音更川の水源でもある。主要部は大雪山国立公園に含まれる。
→関連項目十勝川十勝利別川常呂川北海道

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「石狩山地」の意味・わかりやすい解説

石狩山地
いしかりさんち

北海道中央部を占める山地。石狩岳 (1967m) ,音更山 (1932m) ,ユニ石狩岳(1771m),三国山 (1541m) などを含む。大雪山火山群に隣接する秩父古生層地帯で,花崗岩が露出し,一般に東部は急傾斜,西部は緩傾斜をなす。沼ノ原山 (1506m) と五色ヶ原付近は安山岩の地層。石狩川,忠別川,美瑛川十勝川音更川の各河川の水源地原生林に覆われ,大雪山国立公園の一部。1972年11月上川支庁,十勝支庁を結ぶ国道273号線が山地内に開通。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「石狩山地」の意味・わかりやすい解説

石狩山地
いしかりさんち

北海道中央部に位置し、大雪(たいせつ)・十勝(とかち)火山群、石狩中央山地、然別(しかりべつ)火山群を含む山地。西は上川(かみかわ)、富良野(ふらの)両盆地に臨み、北に接する北見山地、南の日高山脈とともに北海道の背骨をつくる。基本的には褶曲(しゅうきょく)運動によって形成され、その一部に火山群がのっている。石狩川、常呂(ところ)川、利別(としべつ)川、空知(そらち)川の河谷がおおむね他の山地との間を区画する。石狩中央山地は主峰の石狩岳(1967メートル)を最高峰とし、主要な山嶺(さんれい)線は東西に走って、東へ音更(おとふけ)山、ユニ石狩岳、三国山、西へ沼ノ原山などが連なり、石狩国と十勝国との境界をつくっている。古生層の日高層群を主体とするが、音更山、ユニ石狩岳では基盤の花崗岩(かこうがん)の露出がみられ、沼ノ原山などでは安山岩や第三紀層がみられる。大部分が大雪山国立公園の指定地域で、特別保護区域が広く、標高1500メートル以上では森林限界を超えるが、概して針葉樹を主とする天然林に覆われている。

[岡本次郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android