日本大百科全書(ニッポニカ) 「戊申倶楽部」の意味・わかりやすい解説
戊申倶楽部
ぼしんくらぶ
都市実業家により結成された衆議院の会派。1908年(明治41)の第24議会における増税案に対し、全国の商業会議所は一斉に反対運動を起こし、同年5月の総選挙で反増税派を応援。当選者の中野武営(ぶえい)、岩下清周(せいしゅう)、片岡直温(なおはる)、仙石貢(せんごくみつぐ)ら約40名が7月25日に結成した。決議は財政整理、国債償還法確立、産業発達、外交刷新、税制整理で、同月14日成立の第二次桂(かつら)太郎内閣の政策と近い。しかし立憲政友会がしだいに勢力を伸ばし、小会派の無力が実証されると、非政友合同の動きが起こり、10年3月2日に分裂した。半数は大同倶楽部と合同して中央倶楽部となり、他は憲政本党と合同して立憲国民党をつくり、あるいは無所属となった。
[山本四郎]
『山本四郎著『日本政党史 下』(1980・教育社)』