衆議院(読み)しゅうぎいん(英語表記)House of Representatives

  • しゅうぎいん ‥ヰン
  • しゅうぎいん〔ヰン〕

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

日本の国会を構成する議院両院制における下院にあたる。全国民の代表によって構成され,議員定数は 2016年の公職選挙法改正により 465(改正前 475)。議員の任期は 4年。ただし解散があり,衆議院解散の場合,任期は満了前に終了する。選挙は小選挙区比例代表並立制で行なわれ(→小選挙区制比例代表制),小選挙区 289人,比例代表 176人を選出する。衆議院は 1889年の帝国議会以来の伝統をもつ。第2次世界大戦前は貴族院と対等の立場しか保障されなかったが,戦後は衆議院優越の原則が確立され,法律や予算の議決条約の承認,内閣総理大臣の指名などについて参議院に対する優越が制度化されている。また議院内閣制に基づき政権の基盤を構成することが求められ,1947年の国会改革以降,歴代の総理大臣は衆議院議員で占められている。(→衆議院議員総選挙

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デジタル大辞泉の解説

日本国憲法のもとで、参議院とともに国会を構成する両院の一。総選挙で選出された、全国民を代表する議員で組織される。解散のあることが参議院と異なるが、法律の再議決、予算の先議・議決、条約の承認などについて優越した地位を有する。→参議院
明治憲法下で、貴族院とともに帝国議会を構成した一院。

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百科事典マイペディアの解説

日本国憲法下で参議院とともに国会を構成する議院の一つ。定員480名(小選挙区300名,比例代表区180名。1994年の小選挙区比例代表並立制の導入直前は511名)で被選挙権者は25歳以上。任期は4年だが解散により短縮されることがある。常任委員会特別委員会を置くほか,衆議院事務局,衆議院法制局を付置する。議院の権限は参議院に優越する。予算先議権があり,法律・条約・予算の議決・承認および内閣総理大臣の指名などで参議院が異なった議決をした場合でも,法律については衆議院で2/3の多数で再議決されればよく,予算・条約および総理大臣については衆議院の議決が一定の要件で国会の議決とされる(憲法59,60,61条。自然成立)。解散は随時内閣総理大臣が憲法第7条の手続により行い得る。また衆議院で内閣不信任決議案が可決もしくは内閣信任決議案が否決された場合には10日以内に内閣総辞職するか衆議院を解散しなければならない(憲法69条)。衆議院解散中は参議院が国会の機能を代行する。→帝国議会二院制
→関連項目貴族院国会議員国会議事堂政党内閣責任内閣制総選挙内閣(日本)日本両院協議会

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世界大百科事典 第2版の解説

(1)大日本帝国憲法下において,貴族院とともに帝国議会を構成した議院(大日本帝国憲法33条)。貴族院が皇族華族勅任議員により構成されたのに対して,衆議院は,公選議員により組織され(35条),法的には,貴族院と同等の権限を有していた(ただし,解散は衆議院についてのみ認められ,予算は衆議院において先議された)。もっとも,政治的には,国民によって選挙された議員からなる衆議院が国民を代表するものとされ,その結果,帝国議会においても,漸次政治の重点は衆議院に置かれるようになり,大正デモクラシー期を中心に,一時期,衆議院の多数党が内閣を組織する〈憲政常道〉が行われた。

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大辞林 第三版の解説

現行憲法下、参議院とともに国会を構成する議院。法律案・予算案の議決、条約の承認などについて参議院に優先する権限をもつ。
旧憲法下、貴族院とともに帝国議会を構成した議院。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

二院制議会において、民選議員によって組織される一院で、下院にあたる。日本では参議院とともに国会を構成する。1890年(明治23)11月29日、明治憲法(大日本帝国憲法)の規定により開院され、貴族院とともに帝国議会を構成したのがもとの衆議院で、現在のものは第二次世界大戦後の1947年(昭和22)5月20日、日本国憲法の規定により開院された。以後、長年にわたり中選挙区制によって選ばれた公選議員により組織されてきたが、1994年(平成6)に選挙制度が改められ、以後、議員は比例代表制を加味した小選挙区制(小選挙区比例代表並立制)によって選ばれている。定数は475(小選挙区選出295、比例代表選出180)、任期4年である。
 一般に二院制(両院制)においては、下院は、上院とはその組織原理を異にし、国民の意思を直接代表するものと考えられているが、日本も例外ではなく、衆議院の権限は参議院より強い。たとえば、参議院のもたない内閣不信任決議権を有し、法律・予算の議決や条約の承認、内閣総理大臣の指名などにおいて、衆議院の議決は参議院の議決に優先する。このような衆議院(下院)の優越は、一般に現代の民主国家に共通する現象である。衆議院では、解散により民意を反映させる制度があるが、衆議院に代表される国民の意思が、現実に正しく民意を反映しているかどうかについては、それが政治的神話に転化する可能性が高いとされる(「国民代表の神話性」などといわれる)。このような民意政治の形成に潜む不信を基にして、これまで、いわゆる圧力団体によるロビイング、集団行動に基づくデモンストレーション、市民運動によって支えられた政策の提言などの現象がみられた。衆議院が民意を代表する機関として活動するためには、これに対する国民の不断の監視とコントロールが必須(ひっす)の条件と考えられる。
 衆議院の選挙区、定数に関して、中選挙区時代に、1964年、1975年、1986年、1992年と更正されたが、それでも各選挙時において議員定数と選挙人の人口との比率が各選挙区の間で大幅に異なり(議員定数不均衡の問題という)、選挙区の間の格差の解消にはほど遠かった。そのため選挙権の平等に反するとして違憲訴訟がたびたび起こされてきた。1994年に改正された選挙制度における小選挙区間の較差は2倍をやや上回る範囲となっており、較差は縮まったが、根本的解決はまだされていない。[池田政章]
『樋口陽一著『近代国民国家の憲法構造』(1994・東京大学出版会) ▽内野正幸著『民主制の欠点』(2005・日本評論社)』

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙
① 旧憲法下で、貴族院とともに帝国議会を構成した一院。公選された議員によって組織された。
※大日本帝国憲法(明治二二年)(1889)三三条「帝国議会は貴族院衆議院の両院を以て成立す」
② 現行憲法の下で、参議院とともに国会を構成する一院。全国民を代表する選挙された議員で組織される。法律の制定、予算の議決、条約の承認、内閣総理大臣の選任の議決について、参議院に対して優越した地位を有する。
※日本国憲法(1946)四二条「国会は、衆議院及び参議院の両議院でこれを構成する」

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旺文社日本史事典 三訂版の解説

日本の立法機関の一つ
①大日本帝国憲法下,1890年から貴族院とともに帝国議会を構成。公選議員により組織され,予算の先議権をもつほかは貴族院と同一権限を有した。しかし,貴族院によって牽制され枢密院の抑圧をうけ,力の弱いものであった。
②日本国憲法下,1947年から参議院とともに国会を構成。男女普通選挙により選出された議員により組織され,法律・予算案議決,条約承認,首相指名など,参議院よりも優越した権限を有する。定数480名。任期は4年で,解散制がある。

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世界大百科事典内の衆議院の言及

【下院】より

…通常,全国民の利益を代表する民選議員によって組織され,上院に比して任期が短く,多くの場合,解散によって民意を問い直す制度を備えている。日本の衆議院,イギリスの庶民院House of Commons,アメリカの代議院House of Representatives,フランスの国民議会Assemblée nationale,ドイツの連邦議会Bundestagが下院に該当する。民主化が進むとともに,議会内での勢力関係はしだいに下院を優越させる方向へ変化した。…

【国会】より

…議会の構成にも民主主義の価値基準からみて問題があった。上流社会を代表する非公選議員から成る貴族院が,衆議院と対等の権限を有し,衆議院をとおして民意が立法に反映するルートを抑制した。また衆議院についても,議員の選挙権は,長い間,多額納税者にのみ与えられ(1925年公布の普通選挙法で普通選挙制が実現),また,女性には一貫して選挙権が認められなかったため,当初,有権者数は人口比で1%,後も20%にとどまった。…

【帝国議会】より

…1890年から1947年まで存続し,天皇主権下における立法機関として機能した。
[機構と権限]
 帝国議会は皇族・華族・勅任議員によって構成される貴族院と,公選議員で組織される衆議院との2院からなり,その権能はほぼ対等になっていた。また,議会の開会,閉会,停会などは天皇大権に属し,さらに特定案件の下では緊急勅令を制定し,大権事項にもとづく歳出項目について政府の同意なしに議会が廃除・削減することはできず,議会が予算案を否決した場合に,政府は前年度予算を施行できることなどが憲法に規定されており,議会独自の権能である立法権,予算審議権を大きく制約するものであった。…

【立法】より

…発案が議員に認められることはもとよりである(議員立法)が,内閣にも発案権が認められるというのが通説で,かつ慣例であり(憲法72条参照),成立する法律のほとんどが内閣提出法案となっている。そこで審議・議決に国会の立法意思が集中的にあらわれることになるが,国会を構成する衆議院の意思と参議院のそれとの齟齬は,衆議院が優越するように調整される。すなわち,法律案は原則として両議院で可決したとき法律となるが,衆議院で可決し,参議院でこれと異なる議決をした場合は,衆議院が出席議員の3分の2以上の多数で再び可決したとき法律として成立する(59条2項)。…

※「衆議院」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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