成島郷(読み)なるしまごう

日本歴史地名大系 「成島郷」の解説

成島郷
なるしまごう

現在の成島に比定される。「一蓮寺過去帳」によれば、文明一六年(一四八四)六月二二日供養の神一房に「鳴嶋」と注記され、成島のことと思われる。永正一四年(一五一七)四月三日の武田信直書下(一蓮寺文書)によれば、「成嶋音黒両郷水代」は武田信昌・同信縄が寄進したものであるから、末代まで一蓮いちれん(現甲府市)の領するところと認めている。水代とは両郷が納める用水使用料であろう。天文一二年(一五四三)五月一二日の武田晴信印判状(恵運院文書)によると、「鳴嶋之中御拘之分四貫文、永公事共ニ致寄進候者也」とあり、晴信の祖父信縄の菩提寺である恵運えうん(現甲府市)へ寄進されている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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