末代(読み)マツダイ

デジタル大辞泉 「末代」の意味・読み・例文・類語

まつ‐だい【末代】

死んでからのちの世。後世。「末代までの恥」
道義の衰えた末の世。末世
「かやうの事、―ざまには何となき事にてあるにこそ」〈愚管抄・二〉
[類語]後世後代次代後の世末の世

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精選版 日本国語大辞典 「末代」の意味・読み・例文・類語

まつ‐だい【末代】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 事物一連経過うちで、勢いが衰えて終わろうとする頃。
    1. [初出の実例]「而東大寺専無一枚公験、唯視相只大之字、臨末代致奪妨、此於事甚无道也」(出典:大東急記念文庫文書‐延長七年(929)七月一四日・伊勢国飯野荘勘注)
  3. 遠い先の世。のちの時代。後世。将来
    1. [初出の実例]「所造経疏長流末代」(出典:日本霊異記(810‐824)上)
    2. [その他の文献]〔謝霊運‐七里瀬詩〕
  4. まっぽう(末法)
    1. [初出の実例]「其実誠雖末代、仏力之霊験自以顕然者歟」(出典:中右記‐嘉保二年(1095)二月一日)

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朝日日本歴史人物事典 「末代」の解説

末代

平安末期の山岳修行者,富士山の開山者で,富士上人とも称される伝説上の人物。駿河国(静岡県)の人といわれ,駿河国岩本実相寺を開基した智印に師事し,白山や伊豆山でも修行した。富士山には数百度登り,久安5(1149)年,山頂大日寺を創建した。鳥羽法皇帰依を受けて,如法経を書写してもらい,山頂に埋納したといわれる。この70年ほどのちに弟子の埋納した「末代聖人」と記した経巻を納めた経筒が,山頂(三島ケ岳付近)から出土している。富士山麓村山伽藍を営み,ここで即身仏となり,富士山の守護神,大棟梁権現として祭られたといわれる。<参考文献>『本朝世紀

(川村邦光)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「末代」の解説

末代 まつだい

?-? 平安時代後期の修験者。
駿河(するが)岩本の実相寺の智印にまなび,加賀白山(はくさん),伊豆(いず)日金(ひがね)山で修行。富士山に数百度登頂し,久安5年(1149)ごろ山頂に大日寺を建立した。富士山麓(さんろく)の村山に伽藍(がらん)をたて,即身仏となり,大棟梁権現としてまつられたという。通称は富士上人。

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普及版 字通 「末代」の読み・字形・画数・意味

【末代】まつだい

末世。

字通「末」の項目を見る

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