玉穂町
たまほちよう
面積:八・二一平方キロ
郡の南東部にあり、北は昭和町、東は甲府市、南は西流する笛吹川を挟んで東八代郡豊富村に面し、西は田富町。北東部を中央自動車道がわずかにかすめ、西部では南北にJR身延線が走る。笛吹川の支流の遠藤川・空穂川・山伏川・神明川・渋川・鎌田川が南流し、笛吹川の堤手前で西に流れを変え、笛吹川に並流する。江戸時代には乙黒村に笛吹川の渡船場があり、対岸の浅利村(現豊富村)とを結んだ。大河川の集中する氾濫原のため、原始・古代の遺跡は少ない。律令時代の当町域については、「和名抄」にみえる巨麻郡市川郷に属したとする説と、八代郡川合郷とする説がある。後者だとすれば、現在当町は中巨摩郡だから、郡界が大きく変更になったことになる。平安末期には当町北東部の中楯・西新居付近が八条院領鎌田庄に含まれ、東北院(現京都市上京区)領布施庄には西端の上三条・下三条辺りが属していたといわれる。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報