日本大百科全書(ニッポニカ) 「戴餅」の意味・わかりやすい解説 戴餅いただきもちい 平安時代、元日に小児の頭に餅(もち)を戴(いただ)かせて前途を祝う儀式。主として公卿(くぎょう)の間で行われ、初正月から5歳くらいまでを対象とした。その祝言に「才学ハ祖父ノ如(ごと)ク、文章ハ父ノ如ク」というのが習わしであった。中世以後は、「官位高カレ、命カタカレ」ともいわれた。餅に次いで橘(たちばな)を、次に大根を頭に戴(の)せ、三度同じ祝言をいう場合もある。この儀には、近江(おうみ)国の餅を用いることが多かったという。成人してこの儀をやめると歯固(はがた)めに参加することになる。[山中 裕] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例