元日(読み)ガンジツ

デジタル大辞泉 「元日」の意味・読み・例文・類語

がん‐じつ〔グワン‐〕【元日】

1年の最初の日。1月1日国民の祝日の一で、年のはじめを祝う日。 新年》「―や上々吉の浅黄空/一茶
[類語]元旦元朝

がん‐にち〔グワン‐〕【元日】

がんじつ(元日)」に同じ。
「―の奏賀の声、甚だ殊勝にして」〈徒然・一三二〉

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精選版 日本国語大辞典 「元日」の意味・読み・例文・類語

がん‐じつグヮン‥【元日】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「がん」は呉音、「じつ」は漢音 )
  2. 一年の最初の日。一月一日。がんにち。元旦。元三(がんざん)。三元。三始。三つの始め。鶏日。《 季語・新年 》
    1. [初出の実例]「但又明日は元日(グヮンジツ)なれば」(出典:雲形本狂言・麻生(室町末‐近世初))
    2. 「元日の木の間の競馬足ゆるし〈重五〉」(出典:俳諧・春の日(1686))
    3. [その他の文献]〔書経‐舜典〕
  3. ( 中国の周の時代に一一月を正月としたところから ) 一一月一日。江戸時代、芝居顔見世の初日にあたる。
    1. [初出の実例]「とっても朔日(ついたち)今日元日」(出典:歌舞伎・名歌徳三舛玉垣(1801)三立)

がん‐にちグヮン‥【元日】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「がん」は「元」の、「にち」は「日」のともに呉音 ) =がんじつ(元日)
    1. [初出の実例]「元日、なほ同じ泊(とま)りなり」(出典:土左日記(935頃)承平五年一月元日)
    2. 「元日(グンニチ)元三の間、参入する人もなし」(出典:高野本平家(13C前)四)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「元日」の意味・わかりやすい解説

元日
がんじつ

1月1日のこと。正月三が日を元三日(がんさんにち)とよぶが、その初日をさす。元日の朝のことを、とくに元旦(がんたん)、歳朝(さいちょう)、大旦(おおあした)などとよぶ。年の始まりの縁起を担いで特別なよび方をする。元正(げんしょう)天皇の霊亀(れいき)2年(716)以来、宮中では文武百官を招き元日節会(がんにちのせちえ)が行われたが、1872年(明治5)より晴御膳(はれごぜん)の儀だけを残し、招待宴を「新年宴会」の名のもとに1月5日に変えた。一般人にとっても歳神(としがみ)が来臨するのが正月だから、家々には元日をいろいろ儀礼化して演出する習俗がある。現在でも初詣(はつもう)でをしたり、晴れ着屠蘇(とそ)や雑煮で祝うが、昔は元日のかまどの火のたきつけが、だいじな行事であった。ただし忌中の者は元日を祝わない。

[深作光貞]

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普及版 字通 「元日」の読み・字形・画数・意味

【元日】がん(ぐわん)じつ

一日(ついたち)。〔書、舜典〕の正(正月)、元日、に格(いた)り、四岳に詢(はか)り、四門を闢(ひら)き、~四す。十二牧に咨(と)ふ。

字通「元」の項目を見る

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百科事典マイペディア 「元日」の意味・わかりやすい解説

元日【がんじつ】

1月1日。国民の祝日の一つで年の初めを祝う。元日の朝を特に元旦という。宮中ではこの日四方拝が行われ,民間では若水くみ,初詣(はつもうで)などの正月の行事を行う。元日を中心にした正月を大正月または大年(おおとし),1月15日を中心にした正月を小正月,小年と呼んだのは,暦の普及以前は元日を年の境とするより満月の15日を境とすることが多かったため。
→関連項目国民の祝日屠蘇

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「元日」の意味・わかりやすい解説

元日
がんじつ

1948年に制定された国民の祝日の一つ。1月1日。元旦ともいう。この日午前0時より人々は氏神へ初詣でを行い,一年の無事を祝う。宮中では四方拝の儀が行われる。

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日本文化いろは事典 「元日」の解説

元日

古来より1年の最初の日である1月1日「元日」は、全てのものに命を与えてくれる"歳神〔としがみ〕様"をおまつりするための特別な行事が行われていました。1948年に「年のはじめを祝う日」として法律で国民の祝日と制定されました。

出典 シナジーマーティング(株)日本文化いろは事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の元日の言及

【正月】より

…新年を迎えることを,年取り,年越しともいう。大晦日から元日にかけての行事に主体があるが,ほぼ1月いっぱい続く。行事の流れは,1日を中心にする大正月と,15日を中心にする小正月とに大別できるが,このほか7日の七日正月,20日の二十日正月を重視する場合もある。…

※「元日」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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