房状ミセル構造(読み)フサジョウミセルコウゾウ

化学辞典 第2版 「房状ミセル構造」の解説

房状ミセル構造
フサジョウミセルコウゾウ
fringed micelle structure

結晶性高分子結晶組織において,結晶,非晶の両領域が連続し,1本の分子鎖がいくつかの微結晶を貫いてミセル構造を形成している.これを房状ミセル構造という.図に示すように,ミセル部分では分子鎖が束ねられて,あたかも房のような形をとることからこの名がつけられた.この構造モデルは,1930年,K. Herrman,O. Gerngrossらにより,ゼラチンのX線図を説明するのに提唱されたものである.ポリエチレン折りたたみ構造がA. Kellerによって提出されて以来,房状ミセル構造説は後退したが,天然セルロースや,折りたたみ構造が延伸などによって分子鎖が引き伸ばされてできた結晶組織に適用されることがある.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

2022年度から実施されている高校の現行学習指導要領で必修となった科目。実社会や実生活で必要となる国語力の育成を狙いとし、「話す・聞く」「書く」「読む」の3領域で思考力や表現力を育てる。教科書作りの...

現代の国語の用語解説を読む