デジタル大辞泉
「手猿楽」の意味・読み・例文・類語
て‐さるがく【手猿楽】
素人または他の芸能出身者の演じる能。また、その集団。室町後期に流行し、多くは職業化して大衆的な興行を行ったが、江戸時代に入って衰えた。
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て‐さるがく【手猿楽】
- 〘 名詞 〙 素人または、他の雑芸者出身の猿楽者の集団。室町後期に流行し、大衆的な興行をした。手能(てのう)。また、専業としない素人が演ずる猿楽。
- [初出の実例]「今夜於二宮御方一昭慶息以下密々有二手猿楽一」(出典:実隆公記‐文明一三年(1481)三月一三日)
- 「しらうとには、一色匠作、故秋庭備中守〈元重〉、座敷舞を勝れたる由、猿楽衆も申し候。手猿楽は然るべからざるよし申伝候」(出典:宗五大草紙(1528)色々の事)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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世界大百科事典(旧版)内の手猿楽の言及
【和泉流】より
…室町中期の江州坂本の隠士佐々木岳楽軒を流祖とし,その芸系が6世鳥飼和泉守元光まで伝えられてきたと伝承するが確かでない。和泉守は手猿楽(素人猿楽)に与えられた受領号であり,摂津猿楽鳥飼座より出て京都で手猿楽の狂言として活動するようになったものと考えられる。元光は[大蔵流],[鷺流]の芸系に加えられる日吉満五郎の教えを受けたと伝えられ,両流と同じ芸系にあることになる。…
【声聞師】より
…この京都の声聞師は曲舞ばかりでなく能をも演じている。彼らは[大和猿楽]など本来の猿楽座と区別して〈手猿楽(てさるがく)〉(素人猿楽の意)と呼ばれるが,正月の[松囃子](まつばやし)などのおりに宮中や仙洞でしきりに能を演じており,能の歴史のうえでも逸することのできない存在である。【天野 文雄】。…
※「手猿楽」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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