手郷(読み)てがいごう

日本歴史地名大系 「手郷」の解説


てがいごう

東大寺七郷の一。郷名は東大寺転害てがい門にちなみ、転害・天害・伝害・手害・手貝・輾磑・転とも書く。長暦元年(一〇三七)一二月八日の王某田地売券(保坂家所蔵文書)に「在手掻御門佐保大路北辺後田字地際杜本二宮者」とあり、平安中期には水田であったことがうかがえる。

鎌倉初期に転害門前に郷が成立した。元久二年(一二〇五)三月一八日の僧定西家地譲状(筒井家所蔵文書)によると家地の東は京大道で限られ、転害門前の手掻大路の西側にあったことがわかる。また建暦三年(一二一三)二月一二日の比丘尼菩提等連署家地相博状(大東急記念文庫所蔵文書)によると、家地は手掻大路にあって、東は大路によって限るという。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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