扱き垂る(読み)コキタル

デジタル大辞泉 「扱き垂る」の意味・読み・例文・類語

こき‐た・る【扱き垂る】

[動ラ下二]しごき落として垂らす。また、しごき落としたように垂れる。
「明けぬとて帰る道には―・れて雨も涙も降りそぼちつつ」〈古今・恋三〉

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精選版 日本国語大辞典 「扱き垂る」の意味・読み・例文・類語

こき‐た・る【扱垂】

  1. [ 1 ] 〘 他動詞 ラ行下二段活用 〙 草についている露などをしごいてたらす。こき落とす。
    1. [初出の実例]「足引の山田の稲の片寄りに露こきたれて秋風ぞ吹く〈行念〉」(出典:続古今和歌集(1265)秋下・四五六)
  2. [ 2 ] 〘 自動詞 ラ行下二段活用 〙 ( 「こき」は接頭語 )
    1. たれる。たれさがる。多く、歌語として用いられ、実や葉をもつ植物を序とし、頭をたれて泣くさまについていう。
      1. [初出の実例]「刈りて干す山田の稲のこきたれて泣きこそ渡れ秋の憂ければ〈坂上是則〉」(出典:古今和歌集(905‐914)雑上・九三二)
    2. 雲が低くたれこめる。
      1. [初出の実例]「明けぬとて帰る道にはこきたれて雨も涙もふりそぼちつつ〈藤原敏行〉」(出典:古今和歌集(905‐914)恋三・六三九)

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