デジタル大辞泉
「折り掛く」の意味・読み・例文・類語
おり‐か・く〔をり‐〕【折り掛く/折り懸く】
[動カ下二]
1 折って物に掛ける。
「賤の男が篠―・けて干す衣」〈梁塵秘抄・二〉
2 折ったままにしておく。
「鎧に矢の立つこと数を知らず、―・け―・けしたりければ、蓑を逆さまに著たるやう」〈義経記・八〉
3 波が、折り返して寄せる。
「いはねこすきよ滝川のはやければ波―・くる岸の山吹」〈新古今・春下〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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おり‐か・くをり‥【折掛・折懸】
- [ 1 ] 〘 自動詞 カ行下二段活用 〙 波などが、折り返しては寄せてくる。何度も繰り返す。
- [初出の実例]「風吹けば浪をりかけてかへりけり岸には植ゑじ山吹の花〈源俊頼〉」(出典:堀河院御時百首和歌(1105‐06頃)春)
- 「つめ寄せて、をりかけをりかけ戦ふ」(出典:延慶本平家(1309‐10)五本)
- [ 2 ] 〘 他動詞 カ行下二段活用 〙
- ① 折って物に掛ける。折り曲げて、それを何かに掛ける。
- [初出の実例]「賤(しづ)の男(を)が篠をりかけて干す衣、いかに干せばか乾(ひ)ざらん乾ざらむ七日乾ざらむ」(出典:梁塵秘抄(1179頃)二)
- ② 鎧(よろい)にささった矢などを、折ってそのままにしておく。
- [初出の実例]「射向けの袖に立ちたる矢どもおりかけ」(出典:保元物語(1220頃か)上)
- ③ 折り取ろうとして中途でやめる。
- [初出の実例]「折懸し藤やぶらりと捻(ねぢ)ながら〈嘯山〉」(出典:俳諧・俳諧新選(1773)一)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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