抜釘銭(読み)ばっていせん(英語表記)Ba-ding-qian; Pa-ting-ch`ien

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「抜釘銭」の意味・わかりやすい解説

抜釘銭
ばっていせん
Ba-ding-qian; Pa-ting-ch`ien

中国,五代の後晋のとき,趙在礼が行なった悪税。在礼は節度使として宋州 (河南省商丘県) に在任中,悪政が多く民を苦しめた。そこで,彼が任を終って宋州を去ったとき,人々は「目に刺さっていた釘が抜けたようだ」と言って喜んだ。在礼はこれを聞いて大いに怒り朝廷に宋州への再任請い,許されて再度赴任するや,報復として1人年間 1000文の税を取立て,これを抜釘銭と名づけたという。五代の苛斂誅求 (かれんちゅうきゅう) の例によく引用される。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android