抜釘銭(読み)ばっていせん(その他表記)Ba-ding-qian; Pa-ting-ch`ien

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「抜釘銭」の意味・わかりやすい解説

抜釘銭
ばっていせん
Ba-ding-qian; Pa-ting-ch`ien

中国,五代の後晋のとき,趙在礼が行なった悪税。在礼は節度使として宋州 (河南省商丘県) に在任中,悪政が多く民を苦しめた。そこで,彼が任を終って宋州を去ったとき,人々は「目に刺さっていた釘が抜けたようだ」と言って喜んだ。在礼はこれを聞いて大いに怒り朝廷に宋州への再任請い,許されて再度赴任するや,報復として1人年間 1000文の税を取立て,これを抜釘銭と名づけたという。五代の苛斂誅求 (かれんちゅうきゅう) の例によく引用される。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android