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怒り いかり anger; rage

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

怒り
いかり
anger; rage

典型的な情動の一つで,他者による妨害,傷害,おどしなどの行為によって生じる。相手を攻撃しようとする行動傾向のほかに,特有の顔面表情や自律神経系の各種の反応を伴う。怒りは,欲求不満によって生じやすくなり,また憤怒は,怒りが自制心を失うところまで強まった状態である。

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デジタル大辞泉の解説

いかり【怒り】

おこること。いきどおり。立腹。「怒りがこみあげる」「世間の怒りを買う」

おこり【怒り】

いかり。立腹。
「他の人ならば一通りの―では有るまじと」〈一葉たけくらべ

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デジタル大辞泉プラスの解説

怒り

吉田修一の長編小説。2014年、上下2巻で刊行。現場に「怒」の血文字が残された殺人事件の容疑者と思しき3人の男性を巡る群像劇。

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世界大百科事典 第2版の解説

いかり【怒り anger】

人間に特有の基本的感情の一つ。すでにローマ時代にセネカが〈野獣にしても,その他の動物にしても,人間以外はすべて怒りを欠如している。なぜというに,怒りは理性の敵である一方,理性の入る余地のないところには,どこにも生じないからである〉(《怒りについて》)と言っているが,怒りは盲目的な攻撃と破壊の衝動ではなく,ある判断から発している。破壊衝動なら何かを破壊すれば満足するはずだが,われわれはある人に腹を立てているとき,皿でも茶碗でもその辺のものをぶち割ったところで怒りは収まらないし,その相手を攻撃したところで収まるとは限らない

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大辞林 第三版の解説

いかり【怒り】

いかること。おこること。腹立ち。立腹。 「 -に燃える」 「相手の-をかう」 「 -をしずめる」

出典|三省堂
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知恵蔵miniの解説

怒り

2016年9月17日に公開された日本のミステリー映画。原作・吉田修一(中央公論新社刊)、監督・李相日、音楽・坂本龍一、主演・渡辺謙、配給・東宝。第41回トロント国際映画祭及び第64回サンセバスチャン国際映画祭正式出品作品。千葉・東京・沖縄の3カ所を舞台とし、「怒」という血文字を残した殺人事件のその後を描く。16年11月28日に発表された「第41回報知映画賞」では監督賞・助演男優賞を受賞し、17年1月16日発表の「第40回日本アカデミー賞」では優秀作品賞・優秀監督賞・優秀主演女優賞など同回最多となる11部門(受賞数は12)を獲得した。

(2017-1-19)

出典|(株)朝日新聞出版発行
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

怒り
いかり

一般に目標に到達するための行動が妨害されたときに生じる攻撃的な情動が怒りであるとされている。イギリスの心理学者ブリッジスK. M. B. Bridges(1897―?)の情動の分化についての研究によると、出生時は興奮だけであるが、乳児期にはそれから快と不快が分化し、2歳ぐらいの乳児期になると、快からは快のほかに愛情や喜びが分化し、不快からは不快のほかに怒りや恐れが分化してくるという。5歳の幼児期になると、怒りから怒りのほかに羨望(せんぼう)、嫉妬(しっと)、失望などが生まれ、恐れからは恐れのほかに心配や羞恥(しゅうち)が現れてくるという。これに対して、スルーフL. Alan Sroufeは、怒りは乳児期の初期にはすでに不快から分化していると説明している。共通しているところは乳児期である。この時期に怒りは独立した情動になっているのである。[大村政男]

乳幼児期~児童期

乳幼児期の怒りの条件としては、(1)運動不足、空腹、疲労、睡眠不足、身体的疾患などがみられるとき、(2)強い刺激に直面して興奮しているとき、(3)周囲の人たちが怒っているとき(模倣行動)、(4)自由な身体運動が禁止されたり抑制されたりしているとき、などをあげることができる。
 怒りの表現としては、3歳ごろまでは泣きわめく、足をバタバタさせる、床や地面にひっくり返るといった「解決にならない解決への努力」とよばれる無方向性のものが多いが、3歳以後になると自分の欲求達成を妨害した人や事物を攻撃するようになる。第一反抗期の開幕である。4歳を過ぎるころにもなると言語による攻撃も増加し、悪口を浴びせかけたり、腕力でも攻撃するようになってくる。一般に男子のほうが女子よりも怒りの表現が多彩で、しかも激しい傾向がみられる。
 児童期は小学校時代で学童期ともよばれている。この時期の怒りの条件としては、(1)年長者や友達からの干渉、(2)自分の所有物が侵害される、(3)身体的な圧迫、(4)自尊心の損傷、などがあげられる。身体的にも成長発達しているので怒りの表現も激しくなり、男子では腕力によるけんかも多くなってくる。[大村政男]

青年期

青年期になると、児童期の怒りの条件のほかに、社会的不合理に対する怒り(公憤的な怒り)や、自分の能力不足や失敗に対する怒りが加わってくる。前者は親の指示や社会的慣習、世間に流通しているものの見方や考え方に対する攻撃で、第二反抗期の特徴をなす怒りである。後者は、自分と自分のなかにいるもう1人の自分との対話から生じる怒りで、失敗を鋭く批判する内側の自分と、言い訳をする外側の自分との戦いである。青年期における自我の再発見に基づいて出現してくる内的な怒りである。青年期でも、中学生のころは腕力によるけんかが多く、勉強のできる子や自分を処罰した教師などに対する暴力もみられるが、高校生になると、このような傾向は減少してくる。そのかわりに現れてくるのが言語的な攻撃、嫌悪の情動の露出、黙殺などである。女子においては中学・高校を通して陰性な怒りが多い。俗にいういじめである。ある1人の生徒をスケープゴートにして日常の学校生活に対する積もった怒りを発散させるのである。体力的には一般にか弱いので、怒りはどうしても陰湿になりやすい。
 怒りやすい人の性格としては爆発性があげられる。小さな刺激にもすぐ興奮し、前後をわきまえずに他人を傷害し器物を破損してしまう。「キレル」という表現が使われることもあるが、短絡(近道)反応は彼らの一般的特徴になっている。[大村政男]

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