拵物(読み)こしらえもの

精選版 日本国語大辞典 「拵物」の意味・読み・例文・類語

こしらえ‐もの こしらへ‥【拵物】

〘名〙
① ほんものをまねて作った物。にせ物。まがい物。模造品
※談義本・風流志道軒伝(1763)二「虚言八百の正月詞、門松餝(かざり)、竹の千代万代と寿(ことぶく)も、元が根のなきこしらへもの故、常盤(ときは)の色も請合(うけあひ)がたし」
浮世草子・好色万金丹(1694)五「女子(にょし)の生れし時、それが嫁入の造用の心あてに銀子三貫目除けてをけば、十五六才にて縁につける時のこしらへものの見事になる積りぞかし」
歌舞伎音楽で、舞台または下座(げざ)で使う曲を新しく作曲すること。また、その曲。既存曲をそのまま使うのに対していう。
滑稽本八笑人(1820‐49)二「アアおらアあの手が有れば芝居へ出てぶつ付け二枚目、又腹が有るから拵物はよし」

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