振返(読み)ぶりかえす

精選版 日本国語大辞典 「振返」の意味・読み・例文・類語

ぶり‐かえ・す ‥かへす【振返】

〘自サ五(四)〙
一度なおりかけた病気が再び悪くなる。
人情本・英対暖語(1838)五「其身の病の治りかかりし所へ〈略〉再発(ブリカヘ)して」
② いったん良くなる方向に向かいつつあった事柄気候などが、再び悪い状態にもどる。また、単にもとの状態にもどること。
人さまざま(1921)〈正宗白鳥〉「此間中から寒気がぶり返したことを歎息したり」

ふり‐かえ・る ‥かへる【振返】

[1] 〘自ラ五(四)〙 後ろのものを見ようとして、そちらを向く。首を回して顔を後ろの方に向ける。ふり向く。
※杜詩続翠抄(1439頃)六「山の高処づんと登、ふりかえって見たれば」
[2] 〘他ラ五(四)〙 過ぎ去ったことをあらためて思い浮かべる。かえりみる。回顧する。
※憲法講話(1967)〈宮沢俊義〉二「明治憲法時代の政教一致がどんなものであったか、をふり返って見ることが必要である」

ふり‐かえ・す ‥かへす【振返】

[1] 〘他サ四〙 振って翻す。翻す。
万葉(8C後)一七・三九九三「海人舟に 真楫擢貫き 白栲の 袖布理可辺之(フリカヘシ)(あども)ひて わが漕ぎ行けば」
[2] 〘自サ四〙 後ろの方を向く。顧みる。ふりかえる。
※俳諧・芭蕉真蹟懐紙(1689)「たえだえならず千日のかね〈曾良古里の友かと跡をふりかへし〈川水〉」

ぶり‐かえし ‥かへし【振返】

〘名〙 一旦よくなりかけた病気が再び悪くなること。また、一般に良い方向に向かっていた状態が再び悪くなること。ぶりかえり。
恋慕ながし(1898)〈小栗風葉一一「冷えると悪いから臥(ね)てお在(ゐ)でよ、振回(ブリカヘ)しでもすると恢復(とりかへし)が附きゃしない」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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