掛離れる(読み)カケハナレル

デジタル大辞泉 「掛離れる」の意味・読み・例文・類語

かけ‐はな・れる【掛(け)離れる/懸(け)離れる】

[動ラ下一][文]かけはな・る[ラ下二]
遠くへ離れる。隔たる。「都会から―・れた所」
両者の間が大きく違う。大きな隔たりがある。「年の―・れた夫婦」「現実と―・れた理論
関係が薄くなる。疎遠になる。
「ほととぎす隠れなき音を聞かせては―・れぬる身とやなるらむ」〈かげろふ・下〉
[類語]隔たる飛び離れるめためた大変大層異常極度桁外れ桁違い並み外れ格段著しい甚だしいすごいものすごい計り知れない恐ろしいひどいえらい途方もない途轍とてつもないこの上ない筆舌ひつぜつに尽くしがたい言語げんごに絶する言語ごんごに絶する並並ならぬ極めて至って甚だごく至極しごく滅法めっぽうすこぶるいともとても大いに実にまことに一方ひとかたならずさんざっぱらさんざんさんざこってりめちゃくちゃめちゃめっちゃ底抜け恐るべきこよなく殊の外ひときわ特段度外れ法外べらぼうとんでもない類がない比類ない無上よっぽど度が過ぎる行き過ぎどえらい飛び切り段違い圧倒的

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精選版 日本国語大辞典 「掛離れる」の意味・読み・例文・類語

かけ‐はな・れる【懸離】

  1. 〘 自動詞 ラ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]かけはな・る 〘 自動詞 ラ行下二段活用 〙
  2. 遠く隔たって離れる。はるかに遠くなる。隔絶する。
    1. [初出の実例]「みくさみの わが身にかけて かけはなれ いつか恋しき 雲のうへの 人にあひみて」(出典:小町集(9C後か))
    2. 「遠方かけはなれ居り候ところは」(出典:夜明け前(1932‐35)〈島崎藤村〉第二部)
  3. 関係が、ごく薄くなる。疎遠になる。親しみが薄らいでいく。
    1. [初出の実例]「ちぎりおきしうづきはいかにほととぎすわがみのうきにかけはなれつつ」(出典:蜻蛉日記(974頃)下)
  4. 両者の間に大きな相違がある。大きな懸隔がある。隔たりが大きい。
    1. [初出の実例]「『さばかりにや』と、ささめきしかば、惟光をかこちけれど、いと、かけはなれ、気色なく言ひなして」(出典:源氏物語(1001‐14頃)夕顔)
    2. 「叔母の生活気分と丸で懸(カケ)(ハナ)れたものらしく見えた」(出典明暗(1916)〈夏目漱石〉二六)

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