接合型電界効果トランジスタ(読み)せつごうがたでんかいこうかトランジスタ(その他表記)junction field-effect transistor

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

接合型電界効果トランジスタ
せつごうがたでんかいこうかトランジスタ
junction field-effect transistor

p-n接合あるいはショットキー接合の空乏層を利用してチャネルの伝導度を変化させて増幅作用を得る型の電界効果トランジスタ。 JFETとも呼ばれる。p-n接合を利用するものは,1952年 W.ショクリーによって提案され,プレーナ技術を用いたシリコン素子が 62年に発表された。ショットキー接合を利用したものは,半導体としてヒ化ガリウムを用いて 66年に C.A.ミードによって提案された。ゲートに逆バイアスを印加すると,空乏層の幅が変化し,チャネルの実効長と実効断面積が変化するのでドレイン電流が変化することになる。電流電圧特性は飽和型である。入力インピーダンスが大きく低雑音であるが,入力容量はMOS電界効果トランジスタ (MOSFET) などに比べて大きく,増幅度が小さい欠点がある。ゲートを逆バイアスせずにドレイン電圧を印加すると大きなドレイン電流が流れて素子がこわれることがあるので,使用の際は回路上工夫が必要である。 71年西沢潤一によって発明された縦型 (チャネルが素子表面に垂直になっている) の接合型 FETではチャネル部分はすべて空乏層化されており,電流は空間電荷制限電流で非飽和型の特性を示す。大きい相互コンダクタンス,電圧増幅率をもち,出力インピーダンスを任意に設計できるので,オーディオ出力段などに使用されている。

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