pn接合(読み)ピーエヌセツゴウ

デジタル大辞泉 「pn接合」の意味・読み・例文・類語

ピーエヌ‐せつごう〔‐セツガフ〕【pn接合】

半導体のp型とn型とを接合した半導体素子。また、その相接する部分整流作用を示し、ダイオードとして利用

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精選版 日本国語大辞典 「pn接合」の意味・読み・例文・類語

ピーエヌ‐せつごう‥セツガフ【PN接合】

  1. 〘 名詞 〙 一つの半導体単結晶をごく薄い層を境界として一方をP型、一方をN型になるように作るとき、その接合部分、およびその境界面で示す整流現象などをいう。ダイオードやトランジスタに利用される。

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化学辞典 第2版 「pn接合」の解説

p-n接合
ピーエヌセツゴウ
p-n junction

n-p接合ともいう.半導体中でp型領域とn型領域が接して障壁を形成している部分をいう.原料となる半導体はGeやSiが主であるが,化合物半導体も使われ,また同一の材料を用いた同種接合(ホモ接合)と異種の材料を組み合わせた異種接合(ヘテロ接合)がある.この接合部では,熱平衡状態でp型領域とn型領域のフェルミ準位が同一レベルとなり,その境界部分に遷移領域ができる.この部分では,イオン化したドナーアクセプターのため,コンデンサーを形成するとともに,両領域の静電ポテンシャルの差による拡散電位を発生し,種々の電気的特性を示す.p-n接合のもっとも重要な特性は整流性であって,図においてp型領域に正,n型領域に負の電圧を加えると,p型領域中の多数キャリヤーである正孔はn型領域へ,またn型領域中の電子はp型領域へ注入されるため,電流は流れやすい(順方向).次にp型領域を負,n型領域を正にするように電圧をかければ,少数キャリヤーが他領域へ流れ込むことになるので,電流は流れにくい(逆方向).また,この遷移領域に禁止帯幅以上のエネルギーをもった光を照射して電子-正孔対を発生させると,接合部に存在する電場のため,電子はn型領域へ,正孔はp型領域へ移動する.したがって,p型領域は正,n型領域は負に帯電し,光起電力効果を生じる.p-n接合は,整流作用を用いるダイオードやトランジスター,光起電力効果を用いる光電池静電容量が印加電圧によって変化することを用いたバラクター順方向電流の注入による発光を用いたレーザーなどに利用される.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

百科事典マイペディア 「pn接合」の意味・わかりやすい解説

pn接合【ピーエヌせつごう】

一つの半導体結晶が接合面を境に,一方がp形,他方がn形になっていることをいう。pn接合の両端電極をつけたものをpn接合ダイオードといい,p側に正電圧,n側に負電圧をかけると,p領域の正孔と,n領域の電子とは互いに反対の領域に侵入し,p側からn側へ電流が流れる。これを順方向という。電圧のかけ方を逆にすると(逆方向),ほとんど電流が流れず,これにより二極管のように整流することができる。pnpまたはnpn接合を利用したのがトランジスター
→関連項目n型半導体可変容量ダイオード原子力電池ダイオードトンネルダイオード発光ダイオード半導体p型半導体

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「pn接合」の意味・わかりやすい解説

p-n接合
ピーエヌせつごう
p-n junction

半導体中でp型とn型の領域が接している部分。その境界面では,それぞれの主たる電荷キャリアである正孔と電子の拡散が起り,互いに中和して電気的空乏層ができる。空乏層に存在する不純物の電荷のために接合部に電位差が生じ,これが電流の通過に対して障壁として作用する。正電圧をp型に加えると障壁の高さが低くなって電流が流れ,逆に負電圧を加えると高くなって電流は流れにくくなり整流性を示す。p-n接合はダイオードをはじめトランジスタなど多くの半導体素子に利用される。

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世界大百科事典(旧版)内のpn接合の言及

【フェルミ準位】より

…例えば,n型半導体とp型半導体を接触させると,前者から後者へ電子が移り,図3のような状態で熱平衡に達する。この二つの半導体を,単なる接触でなく,つなげたものをp‐n接合と呼び,pからnへの方向には電流を通すが,逆方向には通しにくいという整流作用をもつので重要である。【黒沢 達美】。…

※「pn接合」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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