推拿(読み)すいな

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「推拿」の意味・わかりやすい解説

推拿
すいな

中国按摩 (あんま) のことで,古くは「按摩」といわれたものが,明代に「推拿」という言葉が現れ,この方が広く用いられるようになった。ただし,現在でも中国では「按摩」という言い方も併用されている。推拿の中には「正骨推拿」といって,日本の柔道整復術脊椎 (せきつい) 矯正術に当たるものまで含んでおり,その範囲は日本の按摩以上に広い。また手法も多種多様のものがある。推拿で有名なのは「小児推拿」で,成人に使うつぼや手法とは異なっており,80種ほどの小児疾患に用いられる。

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世界大百科事典(旧版)内の推拿の言及

【あんま(按摩)】より

…《史記》の扁鵲(へんじやく)伝に書かれている案杌(あんごつ)がこれに相当するというから,この療法は戦国時代(前403‐前221)からあったと考えられる。推拿とか矯摩,按矯などとも呼ばれ,内容は時代によって少しずつ変化したと思われるが,からだの一部を圧したり動かしたりすることによって,血行をよくしたりして,からだの機能を回復させようという,一種の物理療法である。あんまは漢代の医学理論を伝えているといわれる《素問》では経絡の不調によって起こった麻痺をなおす療法として扱われているが,《漢書》では前漢末に《黄帝岐伯按摩》という書があったとされ,神僊(仙)書の部類に入れられている。…

※「推拿」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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