かき‐まわ・す ‥まはす【掻回】
〘他サ五(四)〙
① 手、棒などを物の中に入れて、円を描くように回す。また、乱雑にいじくりまわす。
※
太平記(14C後)三三「左の脇より右のあばら骨まで掻回
(カキマハシ)々々、
二刀まで切給ふ」
かき‐・みる【掻回】
〘自マ上一〙 (「かき」は
接頭語) めぐる。こぎまわる。
※
古事記(712)上・
歌謡「汝
(な)こそは 男
(を)にいませば
うちみる 島の埼々 加岐微流
(カキミル) 磯の埼落ちず
若草の 妻持たせらめ」
かい‐まわり ‥まはり【掻回】
〘名〙 (動詞「かいまわる(掻回)」の
連用形の
名詞化。
一説に、「かい」は「垣
(かき)」の変化したもので、
もと、垣の回り、垣の
付近の意とも) はずれ。端。ほとり。
※俳諧・伊勢山田俳諧集(1650)
寄合「霞のそっとみゆるやま眉
谷口の
かひ廻りとの
雪消て」
かい‐まわ・る ‥まはる【掻回】
〘自ラ四〙 (「かい」は接頭語) 回る。めぐる。
※
古今著聞集(1254)二〇「御堂殿、
儀同三司の
御車に乗りぐし給ひて、御ありきありけるに、辻をかいまはりける所を、牛ことによく引きたりければ」
かい‐もとお・る ‥もとほる【掻回】
〘自ラ下二〙 (「かい」は接頭語) からみつく。もつれる。
※虎明本狂言・
金岡(室町末‐近世初)「
恋風がきてはたもとにかひもとおれてなふ、そてのおもさよ」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報