掻消(読み)かきけつ

精選版 日本国語大辞典 「掻消」の意味・読み・例文・類語

かき‐け・つ【掻消】

〘他タ四〙 =かきけす(掻消)
源氏(1001‐14頃)帚木「とだえおき侍りし程に、跡も無くこそ、かきけちてうせにしか」
※梵舜本沙石集(1283)二「さて食せさせんとする程に、かきけつ様に失ぬ」

かき‐き・える【掻消】

〘自ア下一(ヤ下一)〙 かきき・ゆ 〘自ヤ下二〙 (「かき」は接頭語) あとかたもなく消える。
※竹沢先生と云ふ人(1924‐25)〈長与善郎〉後「凡てのつまらぬ対人感情がそのかがやきの前にかき消えて了ふのだった」

かい‐け・つ【掻消】

〘他タ四〙 (「かい」は接頭語) =かきけつ(掻消)
大和(947‐957頃)一六八「あひて物もいはんと思ひていきければ、かいけつやうに失せにけり」

かき‐け・す【掻消】

〘他サ五(四)〙 (「かき」は接頭語) なくならせる。消滅させる。かきけつ。かいけつ。かいけす。
太平記(14C後)五「化物は掻消(カキケス)様に失せ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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