揖可郷(読み)いぶかごう

日本歴史地名大系 「揖可郷」の解説

揖可郷
いぶかごう

和名抄」高山寺本・東急本では「可」につくるが、播磨国揖保郡・薩摩国揖宿郡揖宿郷も類似の字形で書かれているので、同字とみる。後世、「指深」「揖深」などと書かれ、現美濃加茂市伊深いぶか町に受継がれるが、本来はイフカであった。伊深町地域は、中世に武藝郡に属していたことが知られ(「経典奥書」横蔵寺蔵など)、江戸時代より同地が揖可郷にあてられ(新撰美濃志)通説となっている。津保つぼ川に合流する川浦かわうら川の北に開けた小平坦地で、周囲を山に囲まれている。条里遺構が一四坪ほど検出されている。自然地形に沿った条里設定と考えられ、周辺の条里遺構と適合せず、水田化に適した土壌の分布する所を選んで設定しているらしい(岐阜県史)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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