摩尼院(読み)まにいん

日本歴史地名大系 「摩尼院」の解説

摩尼院
まにいん

金剛寺の金堂北側に位置する同寺塔頭の一院。創立由緒は不詳。「日経疏第三愚草」(本)奥書によると、正平九年より同一四年まで南朝の後村上天皇の行宮となっていた。以来中世近世を通じて金剛寺の有力塔頭であった。元禄一三年の金剛寺御修覆中万覚書(金剛寺文書)には「寺内ニて法度ヲ背キ候段、不□とて、寺僧集儀中寄合其上ニて、中院、摩尼院ヲ以テ岸衆断ル」(八月七日条)、「本堂大日三尊共ニ脇へのけ、敷板替へ申筈ニ御座候儀ヲ(中略)奉行、中奉行、元〆、彦衛門無量寿院、摩ニ院立合、いろいろセんき候」(九月四日条)とあり、金剛寺寺内の諸事取締りや金剛寺修復事業に重要な役割を果していたことが知られる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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