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書院 しょいんshu-yuan; sǒ-wǒn

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

書院
しょいん
shu-yuan; sǒ-wǒn

中国で宋以後,朝鮮朝鮮王朝 (李朝) 中期から普及した私学機関。書院制は中国の唐の玄宗のとき,麗正殿書院,集賢院書院をおいたことに起源する。内外の名賢を祭祀する祠と,青少年を集めて人材を養成する斎から成る。宋代に入ってから私学として栄え,のち清末にいたりことごとく整理された。朝鮮では,中宗 37 (1542) 年周世鵬が高麗の儒者安きょうを祭祀するために祠堂を建て,翌年白雲洞書院を建てたのが始りで,その後荒廃しつつある郷校に代って国家の補助を受ける書院が地方の有力者によって各地に数多く建てられ,儒学振興の温床となった。しかし免税などの特権に伴って次第に本来の目的である講学修道からはずれ,有力者の自己勢力扶植の場と化して濫設されたため,高宗1 (1864) 年の大院君執政のとき,47個の書院以外はすべて撤廃させられた。

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デジタル大辞泉の解説

しょ‐いん〔‐ヰン〕【書院】

《中国で、昔、講学所のこと》
付(つけ)書院
書斎。もとは寺院の僧侶の私室をいい、室町時代以降、武家・公家の邸の居間兼書斎の称となった。
書院造りにした座敷武家では儀式や接客に用いた。位置によって表書院奥書院、構造によって黒書院白書院などの名がある。
中国の唐代、役所に付属した書庫、また、書籍編纂所。
中国の宋代以降に発達した私立学校。
出版社書店

しょ‐えん〔‐ヱン〕【書院】

しょいん(書院)

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百科事典マイペディアの解説

書院【しょいん】

中国,唐代以来の用語で,書庫書斎の意。日本では鎌倉時代に書見し,あるいは学を講ずる場所をさしたが,のち客を応接する対面所をいうようになった。床(とこ),棚,付書院をもつ。
→関連項目如庵書院紙床の間飛雲閣

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リフォーム用語集の解説

書院

床の間の外部に面する側につける出窓のこと。元来、その場所を文章を書いたり書物を読んだりする空間とした為、形式的に呼び名が残った。また書斎として用いられる部屋、建物のことを指す場合もある。

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世界大百科事典 第2版の解説

しょいん【書院】

中国,近世の教育研究機関。宋以後,士大夫階級の勃興とともに,教育研究に対する要求が強まり,官学に対する私立の学校として,個人の手で書院がつくられた。とくに南宋におこった朱子学は書院の盛行を促し,朱熹(子)の復興した白鹿洞書院をはじめ各地の書院で,朱子学の講義と研究が行われるようになった。さらに明代の陽明学では,人間は良知をもつものとして平等だと考えられたため,ときに庶民も参加して,書院における講義と自由活発な討論が行われた。

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大辞林 第三版の解説

しょいん【書院】

禅宗寺院では住持の、公家・武家住宅では居間兼書斎として用いた部屋。慶長(1596~1615)頃から一棟の建物全体を呼ぶ。
中国で、私塾。
付け書院 」に同じ。
出版社・書店。また、それらの屋号に添えて用いる語。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

書院
しょいん

中国唐代には役所に付属した書庫、書籍編纂(へんさん)所をいったが、宋(そう)代になると朱子学を教えた白鹿洞(はくろくどう)書院のような私立学校の意となり、以後、官学に対する私立の学校として発展した。わが国では中国とは意を異にして建築用語として用い、一般に床脇(とこわき)に接して文房具類を置く低い棚を書院という。書院には外側に一段張り出す付(つけ)書院と、床脇に棚がつかずに、中敷居を入れ明(あかり)障子を立てるだけの平(ひら)書院とがある。平書院は付書院を簡素化したものである。本来、付書院は、書斎に造り付けられた机である出文机(だしふづくえ)から発展したもので、書見や執筆のためのものであったが、文房具類を置く棚として座敷飾り化したのである。したがって、床(とこ)・違い棚・書院の備わった座敷も書院とよばれるようになり、さらに、整備されたこのような座敷のある建物も書院の名で総称される。二条城白書院、同黒書院、桂(かつら)離宮古書院、同中書院はこの例である。[工藤圭章]

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世界大百科事典内の書院の言及

【書院造】より

…平安時代の貴族の住宅形式であった寝殿造を母胎とし,中世における生活様式の変化のなかで,日常の生活機能を充足するために変容と改良が加えられた。室町時代初期ごろ,座敷飾の諸要素(押板(おしいた),棚,付(つけ)書院)が出そろい,同時代中期の応仁の乱前後の時期に盛行した会所(かいしよ)座敷の飾りに,押板,棚,付書院を組み合わせて装置し,置物を飾る風習が成立した。この座敷飾は中世末までに会所の枠をこえて住宅の主座敷を飾る方式として定着した。…

【禅宗美術】より

…たとえば鎌倉円覚寺の舎利殿にみられる瀟洒(しようしや)な大陸文化の結晶が明確な様式として確立し,これが簡素化して禅的空間ともいうべきものへ発展する。従来の寝殿造は書院造となり,浄土を再現した回遊庭園は自然を象徴した観念的小庭園へと凝縮する。生活空間としては床の間(室町時代には押板と呼称),書院,飾棚が成立し,石庭へとつながっていく。…

【床の間】より

…奥壁の上部の天井廻縁(てんじようまわりぶち)に折釘(おれくぎ)を打ち,1幅から4,5幅が対になった軸装の書画を掛けられるようにする。床板の上には香炉,花瓶,燭台からなる三具足(みつぐそく)を置き,床の間の両隣には書院と違棚(ちがいだな)を設けるのが正式である。このような書院造の床の間に対して,茶室や数寄屋にも書画を飾る床の間が設けられるが,この場合は形式はかなり自由に扱われ,樹皮のついた床柱や形の変わった床柱が使われ,内部を壁で塗りまわした室床(むろどこ)や洞床(ほらどこ),落掛から床の上部だけを釣った釣床(つりどこ),入込みにならず壁面の上部に軸掛けの幕板を張っただけの織部床(おりべどこ)など,多様な形式のものがある。…

※「書院」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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