撥鬢小説(読み)バチビンショウセツ

デジタル大辞泉 「撥鬢小説」の意味・読み・例文・類語

ばちびん‐しょうせつ〔‐セウセツ〕【××鬢小説】

撥鬢奴主人公にして、その任侠を描いた小説村上浪六が好んで書き、明治30年代に人気を呼んだ。

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精選版 日本国語大辞典 「撥鬢小説」の意味・読み・例文・類語

ばちびん‐しょうせつ‥セウセツ【撥鬢小説】

  1. 〘 名詞 〙 明治時代の小説家村上浪六の、撥鬢奴を主人公に、その任侠の世界を描いた小説。明治二四年(一八九一発表の「三日月」によって命名され、以後明治三〇年代にかけて流行した。ほかに「井筒女之助」「奴の小万」「安田作兵衛」など。

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世界大百科事典(旧版)内の撥鬢小説の言及

【村上浪六】より

…少年時代よりさまざまな境遇に転変の生活を送ったが,1890年《郵便報知新聞》に入社,翌91年同紙の日曜付録〈報知叢話〉に《三日月》を発表,主人公の男だて三日月次郎吉の痛快な活躍ぶりが読者に喜ばれ,幸田露伴の作かとまでもてはやされた。その後,朝日新聞社の専属作家となり,多くの任俠小説を書き,明治20年代の〈撥鬢(ばちびん)小説〉の大家と仰がれた。〈撥鬢〉とは江戸中期の町奴(まちやつこ)の髪形からの命名である。…

※「撥鬢小説」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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