播種性血管内凝固症

内科学 第10版 「播種性血管内凝固症」の解説

播種性血管内凝固症(血液疾患と腎障害)

(5)播種性血管内凝固症(disseminated intravas­cular coagulation:DIC)
 外傷・熱傷,悪性腫瘍敗血症,産科的合併症などを基礎疾患として発症する.組織因子(tissue factor)の血中への遊離や血管内皮細胞障害などにより血液凝固系が過度に活性化される.その結果,細小血管内で微小血栓が形成され,全身の諸臓器に虚血性臓器障害を生じる.同時に血小板フィブリノゲンなどの凝固因子が消費され,二次線溶系の亢進も加わり著明な出血傾向も併発する.腎臓は最も高頻度に障害されやすく,主として糸球体毛細血管内・細動脈に微小血栓が生じる.急性尿細管壊死による急性腎不全や血栓形成が高範囲に及ぶと重篤な腎皮質壊死に陥る.[前嶋明人・野島美久]

出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報

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