普及版 字通 「攸」の読み・字形・画数・意味
攸
7画
[字訓] みそぎ・ゆるやか・ところ
[説文解字]
[甲骨文]
[金文]
[字形] 会意
人+水+攴(ぼく)。水は水滴の形に作る。人の背後に水をかけ、これを滌(あら)う意で、身を清めること、みそぎをいう。〔説文〕三下に「行水なり」とあり、〔段注〕に、〔唐本〕に「水行くこと攸攸たり」とあるによって「行水攸攸たり」に作るべしというが、流水の意ではない。修・滌の字は攸に従い、清めて無垢の状を修、洗うものを滌(でき)、そのとき用いる枝葉を條(条)という。悠とはその修潔の心意をいう。徐の説に、秦の刻石の字形によって、水中に杖つく意とするのは臆説である。また「攸(もつ)て」「攸(ところ)」のように用いるのは音の仮借である。
[訓義]
1. みそぎ、みそぎする。
2. ゆるやか、すがすがし。
3. 悠と通じ、はるか、とおい、やわらぐ。
4. 以・用と通じ、もって。
5. ところ、所と同じように用いる。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕攸 トコロ 〔立〕攸 ココニ・トコロナリ・ウカタレ・タイタイシク
[声系]
〔説文〕に攸声として脩・條・修・悠など十五字を収める。條・修・悠はみな修禊(しゆうけい)に関する字、脩は條の細長い形を承ける字である。
[語系]
攸・悠jiuは同声。以ji、用jiongは攸と声近く、仮借して攸をその義に用いることがある。(所)shiaのようによんで、通用することもあったのであろう。
[熟語]
攸遠▶・攸久▶・攸乎▶・攸爾▶・攸心▶・攸然▶・攸攸▶・攸遊▶・攸楽▶
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報