放射性廃棄物処分(読み)ほうしゃせいはいきぶつしょぶん(英語表記)radioactive waste disposal

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「放射性廃棄物処分」の意味・わかりやすい解説

放射性廃棄物処分
ほうしゃせいはいきぶつしょぶん
radioactive waste disposal

放射性廃棄物を大量の空気や水で安全な程度まで希釈したり,減容や固化したうえで人類の生活環境から隔離したりすること。半減期が短く放射能レベルが低い気体・液体廃棄物は主として希釈法により,また半減期が長く放射能レベルが高い廃棄物は主として隔離法により処分される。現在では,再処理で発生する高レベル放射性廃棄物や使用済み核燃料に対しては,地下深部に埋設する地層処分が研究開発されつつある。また,原子力発電所の運転などに伴う低レベル放射性廃棄物に対しては,浅い地層に埋設する陸地処分が各国で実用化されている。再処理後に,半減期が長く放射線学的毒性の高いアクチノイド元素を分離し,高速炉や加速器などで核変換核分裂させ,より半減期の短い核種に変えようという群分離消滅処理も検討されている。老朽化した原子力施設の閉鎖解体時に発生する放射性廃棄物は,操業時のそれに比較してはるかに大量かつ高レベルとなる。その処分はこれからの問題となる。 (→放射性廃棄物管理 )

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