放射線防護剤(読み)ほうしゃせんぼうござい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「放射線防護剤」の意味・わかりやすい解説

放射線防護剤
ほうしゃせんぼうござい

放射線療法に伴う白血球減少ならびに宿酔症状の改善に使われる薬剤をいう。含硫アミノ酸であるL‐システインのほか、アデニンイノシンなどの細胞賦活剤、グルタチオンなどの解毒剤がこれに属する。L‐システインは解毒効果もあり、放射線を照射した動物の延命、白血球減少の抑制、脾(ひ)障害の防護効果がある。放射線障害の予防には、照射1時間前から投与を開始する。1日3回、1回160ミリグラムを経口投与する。また最近、スーパーオキシドデスムターゼが放射線障害防止作用があることで話題となっている。

[幸保文治]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android