抑制(読み)よくせい(英語表記)inhibition

翻訳|inhibition

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「抑制」の解説

抑制
よくせい
inhibition

興奮と対立する言葉で,一般的には生体の反応量が低下する現象をさす。反応が低下する理由としては,当該反応の反復,無強化,他の刺激による阻害などがあげられる。条件づけの実験では前2者を内制止後者を外制止という。なお特殊な用法として,暗記学習では一連の暗記学習が他の暗記学習を阻害する場合に用いられ,精神医学では精神障害者の反応性の低下を意味する。さらに神経生理学では,制ニューロン (神経単位) が興奮伝達をシナプス前部あるいは後部で妨げる機構をさし,それらをそれぞれシナプス前抑制およびシナプス後抑制という。

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精選版 日本国語大辞典「抑制」の解説

よく‐せい【抑制】

〘名〙
① おさえとどめること。抑圧して制止すること。抑止
輿地誌略(1826)五「若諳厄利亜人の之を抑掣するなくば、其貿易猶盛なるに至らん」 〔晉書‐桓伊伝〕
② 心理学で、一度学習した条件反射や記憶の想起が、なんらかの原因によって生起しなくなること。また、その機能が減退すること。他の刺激と反応あるいは新たな学習が原因となることが多い。

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普及版 字通「抑制」の解説

【抑制】よくせい

制止する。〔漢書、霍光伝〕徐生~乃ち上して言ふ。霍氏泰(はなは)だんにして、陛下ち之れを愛厚す。宜しく時を以て抑制し、ぶるに至らしむること無かるべしと。書三たび上(たてまつ)る。

字通「抑」の項目を見る

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世界大百科事典内の抑制の言及

【条件反射】より

…これを分化differentiationという。(5)分化,消去によってCSとして作用を失った刺激は無効になったのではなく,これを他の有効なCSと組み合わせて与えると,この効果を抑制(制止)する作用をもつ。これを内抑制internal inhibitionという。…

【抑圧】より

…自我の防衛機制のなかのもっとも基本的なものであり,他のすべての防衛機制の前提である。抑圧は〈禁圧(抑制)suppression〉と違って,その過程それ自体も無意識的である。すなわちある観念や衝動をこれは良くないと意識的に考えて抑えつけるのではなく,その観念や衝動が心の中に存在していることそれ自体が否定される。…

※「抑制」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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