解毒剤(読み)げどくざい(英語表記)antidotes

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

体内に入った有毒物質を取除くか,化学的,物理的に無なものとする作用のある薬剤をいう。催吐剤,緩和剤,吸着剤の3種に大別される。化学的解毒剤には,過マンガン酸カリ,蛋白吸着剤,次亜硫酸ソーダなど,中毒症状を起した薬物に抵抗する拮抗解毒剤には,酸に対する重曹モルヒネ中毒に対するアトロピンマグネシウム中毒に対するグルコン酸カルシウム,重金属中毒に対する DHペニシラミンなど,生理的な解毒剤としてはグルクロン酸グルタミン酸などが試用されている。

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デジタル大辞泉の解説

解毒の目的で用いられる薬剤。毒物を吸着するもの、化学的に結合して無毒化するもの、薬理学的に拮抗するものなどがある。毒消し。解毒薬

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

生体が有毒な物質または薬物を摂取した際、その有毒物質を速やかに処理し毒性を消失または減弱させる目的で用いられる薬剤をいう。化学的または物理的にその毒物を中和したり、酸化・還元、抱合、結合、吸着などといった作用機序のほか、代謝拮抗(きっこう)物質や薬理作用のうえから拮抗する薬物を用いることもある。一般的にはまず服用した毒物を吐かせるため吐剤が用いられる。吐剤としては食塩水を繰り返し飲ませて吐かせるほか、トコン(吐根)がよく用いられる。

 解毒剤を作用機序のうえから分類すると次のようになる。

(1)化学的または物理的作用によるもの 物理的吸着または化学的に結合して毒物の吸収を妨げるものとしては、薬用炭(植物性炭末)、カオリン、卵白、カルシウム類などがある。また、化学的に毒物と結合して無毒化するものとしては、ヒ素剤やシアンおよびシアン化合物に対するチオ硫酸ナトリウム、ヒ素や重金属に対するジメルカプロール(BAL)、重金属に対するペニシラミン、有機リン製剤や農薬に対するプラリドキシム(PAM)などがある。

(2)薬理学的拮抗作用を利用するもの モルヒネ中毒に対するナロルフィンやレバロルファン、アセチルコリンに対するアトロピン(有機リン製剤の農薬中毒ではコリン作動性神経の興奮がおこるので、これに対しアトロピンが有効)、バルビツール酸系薬物中毒に対してはベメグリド、葉酸拮抗物質メトトレキサートに対するロイコボリンカルシウムなどがあげられる。

 このほか生理的解毒機構を促進するものにグルクロン酸、グルタチオン、タウリンなどがあるが、その作用は明らかではない。

[幸保文治]

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 体内の有毒物質を無毒または毒性の弱い物質にかえて体外に排出するための薬。解毒薬。毒消し。
※七新薬(1862)一「解毒剤として『ドンネ』及びブカルデ〈共に人名〉は『ステリキニネ』〈略〉等植物毒塩の中毒に用ひて大に其効を称せり」

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病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版の解説

製品名
《グルタチオン製剤》
タチオン(長生堂製薬、日本ジェネリック)
ランデールチオン(鶴原製薬)

 肝臓には、栄養素の分解・再合成、胆汁の排出といった機能のほかに、体内に入ってきた、あるいは体内でできた有害物質を無害なものに変えて胆汁や尿といっしょに排泄する解毒機能もあります。


 なんらかの障害によって肝臓の解毒機能が低下すると、中毒症状がおこってしまいます。こうした中毒症状の治療に用いる薬が解毒剤です。


 グルタチオン製剤には、肝臓の機能のなかでも、とくに解毒機能を高める作用があります。


 このため、グルタチオン製剤薬物中毒アセトン血性嘔吐おうと金属中毒妊娠悪阻妊娠高血圧症候群の治療に使用されます。


①過敏症状(発疹ほっしんなどのアレルギー症状)をおこすことがあります。


 過敏症状がおこったら服用を中止し、すぐ医師に報告してください。


②食欲不振、吐き気・嘔吐、胃痛などをおこすことがあります。


 こうした症状がおこったときは、医師に相談してください。


①錠剤と散剤があり、1日1~3回、食後の服用が原則です。ただし、1日あるいは1回の服用量・服用時間については医師・薬剤師の指示を守り、かってに中止、減量・増量しないでください。


 また、服用するときは、十分な水(コップ1杯の水)で飲んでください。


②薬の効果や副作用をチェックするために、医師から肝機能の検査を指示されることがあります。指示された検査は、必ず受けてください。

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