教導団(読み)きょうどうだん

改訂新版 世界大百科事典 「教導団」の意味・わかりやすい解説

教導団 (きょうどうだん)

明治期の陸軍下士官養成機関。1869年(明治2)に陸軍幹部養成を目的とする大阪兵学寮が設置され,翌年兵学寮内に下士養成を目的とする教導隊が設置されたが,71年東京に移って教導団と改称し,73年に陸軍省直轄となった。貧しい下級士族の子弟が陸軍で立身する最初のコースとして入団することが多く,東条英機の父英教は教導団から下士官をへて将校になり,陸軍大学校第1回首席卒業生として中将にまで栄進した。教導団から陸軍士官学校に入学する道もあり,そのコースをたどったものに元帥武藤信義,大将田中義一らがいる。99年,下士制度が改正され廃止となった。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

大臣政務官

各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...

大臣政務官の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android