教育評議会(読み)きょういくひょうぎかい

大学事典 「教育評議会」の解説

教育評議会
きょういくひょうぎかい

大正時代に設置されていた文部省管轄の審議機関。1921年(大正10)7月設置,24年4月廃止文部大臣諮問に応じ,「教育ニ関スル重要ノ事項ヲ調査審議シ意見ヲ開申ス」とされた(教育評議会官制)。臨時教育委員会(1919年設置,1920年廃止)において,政府が実現を目指していた官立諸学校のいわゆる「大学昇格」案への反対勢力が多数を占めたことが,同委員会の廃止と教育評議会の新設をもたらしたとされる。よって教育評議会では東京高工,大阪高工,神戸高商,東京および広島の高等師範学校の大学への組織変更や官立歯科医学専門学校の創設が諮問され,いずれも承認された。他方で専門学校卒業者に学士号を授与する案や,専門学校の修業年限を4年とし,中学校第4学年から専門学校に進学できるようにする案も政府から諮問されたが否決されている。そのほか公立・私立大学の設置認可などおもに高等教育にかかわる諮問がなされたが,盲啞教育令や義務教育年限延長についての諮問もあった。文政審議会の設置に伴い廃止された。
著者: 伊藤彰浩

出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報

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