教訓鈔(読み)きょうくんしょう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「教訓鈔」の意味・わかりやすい解説

教訓鈔
きょうくんしょう

鎌倉時代の雅楽書。南都方の笛の名手で左舞の舞手であった狛近真 (こまちかざね) の撰。天福1 (1233) 年成立。全 10巻から成り,「歌舞口伝」5巻,「伶楽口伝」5巻の2部に分ける。舞楽および管弦の雅楽全般に関する伝承を記したものであるが,総合的な楽書としては最初のものといえ,ようやく衰退期を迎えた当時にあって,失われつつある古い口伝を整理記録したもので,日本の音楽学史および舞踊学史ないしは芸能学史上,重要な位置を占めるものといえる。文永7 (70) 年から元亨2 (1322) 年頃には,近真の孫の狛朝葛が本書を模して『続教訓鈔』を著わしたが,その後の楽書はすべて,本書を意識して,これにならって作られたといってもよい。

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