狛近真(読み)コマチカザネ

関連語 さこん

精選版 日本国語大辞典 「狛近真」の意味・読み・例文・類語

こま‐ちかざね【狛近真】

  1. 鎌倉前期の雅楽家。左近将監(さこんのしょうげん)。光近の子という。父の没後狛則房に父祖伝承の左舞(さまい)を学び、名人と称された。演奏の故実にくわしく、三大楽書の一つ「教訓抄」を著わす。治承元~仁治三年(一一七七‐一二四二

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「狛近真」の解説

狛近真 こまの-ちかざね

1177-1242 鎌倉時代の雅楽家。
治承(じしょう)元年生まれ。奈良方。兄狛光真(みつざね)の養子となり本家をつぐ。狛光季(みつすえ)の舞を継承し,笛を狛則房(のりふさ)にまなぶ。伎楽や三鼓もおさめ,狛家の秘曲をうけつぐ。仁治(にんじ)元年左舞(さまい)の一者(いちのもの)。左近将監(しょうげん)。その著「教訓抄」は後世の雅楽の規範となった。仁治3年1月25日死去。66歳。大和(奈良県)出身

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「狛近真」の意味・わかりやすい解説

狛近真
こまちかざね

[生]治承1(1177)
[没]仁治3(1242)
平安時代の雅楽家。奈良の興福寺に所属した楽家,狛家の出身。現在の楽部,辻家の遠祖左方の舞を担当し,その経験を生かして天福1 (1233) 年,雅楽の専門書『教訓鈔』を著わす。

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世界大百科事典(旧版)内の狛近真の言及

【教訓抄】より

…音楽書。奈良興福寺の楽人狛近真(こまのちかざね)撰述。現伝本は近真が自筆本を1233年(天福1)6月から10月の間に書写したとする奥書の本を原本としているから,成立はそれ以前。…

【律呂】より

…日本でも音律の意味で律呂を用いることが多いが,何かを2分類するときの対語としても使われ,例えば催馬楽(さいばら)は律歌,呂歌に分類されている。調名の分類に律,呂を用いた例では,狛近真(こまのちかざね)の《教訓抄》(1233)で,壱越(いちこつ)調,乞食(こつじき)調,双(そう)調,水(すい)調,大食(たいしき)調,沙陀(さだ)調を呂,壱越性調,平(ひよう)調,性(せい)調,道(どう)調,黄鐘(おうしき)調,盤渉(ばんしき)調を律と区分しており,大神基政(おおがのもとまさ)の《竜鳴抄》(1133)では,いわゆる六調子を律呂に分類している。その後,律呂は旋法あるいは音階上の用語としても用いられるようになり,明治にいたっては洋楽の旋法の概念を導入して命名された〈律旋〉〈呂旋〉の2分類も行われた。…

※「狛近真」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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