数無し(読み)カズナシ

デジタル大辞泉 「数無し」の意味・読み・例文・類語

かず‐な・し【数無し】

[形ク]
物の数ではない。取るに足りない。つまらない。また、はかない。
いにしへゆ言ひ継ぎ来らし世の中は―・きものそ」〈・三九七三〉
数限りがない。
「ふりしけば―・くたまる白雪の何を憂しとか下にきゆらむ」〈古今六帖・一〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「数無し」の意味・読み・例文・類語

かず‐な・し【数無】

  1. 〘 形容詞ク活用 〙
  2. ( 数がない、数が多くない意から ) 長くない。久しくない。短い。また、比喩的に、ものの数でない。はかない。つまらない。
    1. [初出の実例]「世間(よのなか)は加受奈枳(カズナキ)ものか春花の散りの乱(まが)ひに死ぬべき思へば」(出典万葉集(8C後)一七・三九六三)
  3. ( かぞえることばがない、という意で ) 数限りがない。無数である。
    1. [初出の実例]「随喜の功徳は量り無く数無し」(出典:西大寺本金光明最勝王経平安初期点(830頃)三)

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