敷金・敷銀(読み)しきがね

精選版 日本国語大辞典 「敷金・敷銀」の意味・読み・例文・類語

しき‐がね【敷金・敷銀】

〘名〙
① 売買・貸借などの契約の際の証拠金。手付け金。また、不動産貸借の際、将来生ずるかもしれない損害の補填の意味で、あらかじめ預けておく保証金。しききん。
※浮世草子・日本永代蔵(1688)五「敷銀(シキカネ)にして物を売(うる)共、前より残銀かさむ時は、見切て是を捨(すつ)べし」
婚姻養子縁組などの際の持参金。しききん。
※浮世草子・懐硯(1687)五「入聟の敷銀(シキガネ)にて此家を継がすべき事をたくみ」
③ 香道で、香を炷(た)くときに敷く薄い金銀の板。銀葉。
※浮世草子・椀久二世(1691)下「右の手に香箸、左に敷銀(シキカネ)を持ちて、名香聞飽て鼻血たらし」
[語誌]中世では「敷銭(しきせん)」、近世に入って上方では「敷銀(しきがね・しきぎん)」、江戸では「敷金(しきがね・しききん)」といった。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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