貸借(読み)たいしゃく

日本大百科全書(ニッポニカ)「貸借」の解説

貸借
たいしゃく

借り主が一定期間貸し主のものを利用したのちそれを返還する契約。民法上、消費貸借(587条以下)、使用貸借(593条以下)および賃貸借(601条以下)の3種類が定められている。消費貸借は、たとえば金銭の貸借のように、借りた物を消費して種類・品等・数量の同じ物を返還すればよい。消費貸借は利息付きと、そうでない場合とがある。使用貸借と賃貸借はともに借りた物を返還しなければならない。しかし、使用貸借は無償であり、賃貸借は有償である。このことに対応して、両者には大きな違いがある。

淡路剛久

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典「貸借」の解説

たい‐しゃく【貸借】

① 貸すことと借りること。物品や金銭などを貸し借りすること。かしかり。
※文明論之概略(1875)〈福沢諭吉〉四「此外真実睦しき親族朋友の間に金を貸借するも此類なり」 〔韓愈‐崔十六少府摂伊陽詩〕
② 簿記で、貸し方と借り方。また、その仕訳。

かし‐かり【貸借】

〘名〙 貸しと借り。また、人に貸したり、人から借りたりすること。
※浮世草子・傾城禁短気(1711)二「いづれ女郎のかし借(カ)りは、言ひ合て中間法度にしたきもの」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典内の貸借の言及

【質】より

…質取主は質物を保全する義務を負い,債務不履行の場合には一定の条件のもとに売却し,その代価をもって債務の弁済に充てる売却質を原則としたが,債権者に帰属する流質の慣行もあった。
[中世]
 売買・貸借などの取引における担保・抵当を質といった。貸借において担保を必要としたことはいうまでもないが,中世には売買にも担保を必要とした。…

※「貸借」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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