文殊村(読み)もんじゆむら

日本歴史地名大系 「文殊村」の解説

文殊村
もんじゆむら

[現在地名]本巣町文殊

現本巣町の南部に位置し、大平おおひら(二一二・五メートル)の南麓丘陵と平野部に立地。中世には近衛家領仲村なかむら庄に含まれ、当地に文殊寺があった。村名は同寺名に由来。文保二年(一三一八)一二月一二日の関東下知状(大友文書)によれば、仲村庄内の支配をめぐり領家(近衛家)方雑掌と地頭大友氏が争っているが、文殊寺は地頭支配であり、関連の絵堂と定元寺別当職についても地頭方知行であると主張されている。現武儀むぎ武芸川むげがわ町の恵利えいり寺にある大般若経巻一一六奥書に、寿永二年(一一八三)「執筆当国文殊寺清水谷住依正房禅信」とみえる。この文殊寺が当地の文殊寺であれば、仲村庄内に一二世紀には創建されていたことになる。大般若経の一部は文明二年(一四七〇)一〇月二六日に行われた文殊寺塔供養に際し修理が行われている(同経巻二〇五奥書)。戦国時代文殊城に小笠原七郎泰綱が居城した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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