改訂新版 世界大百科事典 「文部省雑誌」の意味・わかりやすい解説
文部省雑誌 (もんぶしょうざっし)
明治初期の文部省の教育啓蒙雑誌で,教育雑誌としては日本で最初のものである。1873年4月,前年8月から文部省の事務報告として逐次刊行されていた《文部省日誌》を改題し,教育制度や学事一般の状況報告に加えて,欧米の先進的な教育論説や教育事情を紹介する目的で発行された。翌74年第18号まで和紙に活版印刷,以降は洋紙両面印刷となり,しだいに外国の教育新聞雑誌からの翻訳を増した。76年4月に《教育雑誌》と改題。81,82年ころから記事の選択に政策動向が直接反映するようになり,道徳教育,実業教育,教師論などの記事が目だって増えてくる。82年12月《文部省教育雑誌》と改題してからは発行回数が減少し,翌年4月の第174号で事実上廃刊された(その正式公示は1884年1月)。
執筆者:山口 順子
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報