ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「新リカード学派」の意味・わかりやすい解説
新リカード学派
しんリカードがくは
neo-Ricardian school
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…ミルもまた,労働の移動がない国際間の貿易の場合は別として,需要と無関係に交換比率が決まり,労働価値説,生産費説が成立する場合も多いことを認めている。すなわち古典派の価値論は,需要供給説を基礎にしながらも,需要と無関係になる場合を重視するが,この考え方は現代経済学の一翼を占める新リカード学派(ネオ・リカーディアン)の経済学の基礎になっている。 この考え方は賃金にも適用され,賃金はその社会で習慣的に定まっている労働力の再生産費用に等しいとされ,労働に対する需要の変動は人口の変動に吸収されるというマルサスの人口論に基づく動学的過程が考えられる。…
…自由放任ということばはA.スミスの《国富論》(1875)の主張を要約したものとして知られている。そして,しばしば,自由放任,レッセ・フェールとは現実の経済をあるがままに放置せよ,あるいは,すべての経済主体とくに生産者(企業)に好き勝手にやらせるのがよい,という意味であるかのように誤解されてきた。この誤解の源は,資本主義のとらえ方が,D.リカードやJ.S.ミルなどのイギリス古典派ないしは19世紀後半のアメリカで俗流化されたことにある。…
※「新リカード学派」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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